そうめんよりラーメン派

こんなブログ名ですけどスマブラのこと書きます

[和訳] ポテンシャルを引き出す:ファルコ

 

著者:Rishi

元記事はこちら…http://team-dignitas.net/articles/blogs/smash/12239/max-yield-falco

 

スマブラDXのメタにおけるファルコの立ち位置はここ数年で最も活発に議論されているテーマのひとつだ。強力なニュートラル/パニッシュゲームを持っているに一方で、もろい復帰と信頼できる撃墜へのセットアップが少ないことによって、ファルコは「ガラスの大砲」と揶揄されてきた。

前回の記事では、ピーチが多くの弱点や不利マッチアップを持つにも関わらず、トップレベルのスマブラDXを象徴することが多いことを指摘した。ある意味、ファルコは逆の立場で苦しんでいる。一般的には三大最強キャラとされているにも関わらず、最もトップレベルのスマブラDXに登場しないキャラクターのひとつであり、殆どのトップレベルのファルコ使いはサブにフォックスを使うことで補っている。

どうして三大最強キャラの1人が、サブを用いずにトップレベルで競い合うのが難しいように感じられるのだろう?

私はファルコで各マッチアップを勝ち抜くのに必要な特定の技術は、殆どの場合フォックスのそれほどは進歩されていないと考えている。ファルコ使いがフォックスのそれのように各マッチアップを楽しむこともまた可能だ。どんな理由であれ、現在のメタではファルコはピーチやプリンなどのキャラとは勝負にならないと誤解している人が多いように感じる。

ここでは前回の記事でピーチにしたのと同じく、技術を検査することをファルコにも試みる。
私はファルコ使いたちにとってこの記事が最高の結果をもたらす事を願っている。しかし、ファルコというキャラクターに「与えられた」特性は、ピーチほど目立つものではない。例えば、私はファルコの防御的な戦術とパニッシュゲームを「与えられた」ものと考えるだろうが、それはピーチの場外の相手を攻撃する能力のようにすぐに手に入れられるものではない。そのためこの記事はそれらの属性に関してとても深く掘り下げていくことはしないが、ファルコ使いはこのことを頭に入れておくべきだ。

 

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間合い/ペース管理と、輪ゴム理論

ファルコの火力の樹形図はフォックスとは異なる。ジャンプの高さが違うし、空中機動力も違うし、攻撃判定も違う。同様に、間合い管理も異なる。ブラスターは非常に破壊的で、ファルコの大ジャンプはこのゲームで最も優れた撤退手段のひとつである。広くて速い攻撃判定を繰り出し、さらに間合い管理とペース調整の強力な秘訣がある。

 

まずは間合いについて話そう。私はこれを「輪ゴム理論」と呼んでいる。

 

この理論には3つの要素があり、それらは全て絡み合っている。

 

1:ファルコはステージを拘束することができる。拘束すべき各ステージの範囲は様々である。

2:ファルコ使いは自身の背中からステージの中核に戻る輪ゴムを想像すべきだ。これは必ずしもステージの中央とは限らない。相手の位置とお互いのキャラクターのダメージ%に応じて変化する。

3:ファルコ使いは自身と相手を結びつける第二の輪ゴムを想像すべきだ。これはファルコをステージに結び付ける第一の輪ゴムと一緒に考えなければならない。第二の輪ゴムを縮めるために、どのくらい第一の輪ゴムを伸ばす意思があるだろうか?これらのビジュアルを念頭に置いておくことで、攻撃的な選択肢をとるか、立ち回りで押さえつけるかという意思決定を管理するのに役立つ。

 

ここでの考えは、輪ゴムの伸びが少ないほど、ファルコ側はより快適に感じられるはずだということだ。もし輪ゴムが細長くなりすぎている場合は、位置取りをやり直す必要がある。つまりこちらは中央から遠すぎるところへは行きたくないし、相手からも遠すぎるようにはしたくないということだ。

 

私がファルコのポテンシャルを引き出す技術のひとつとして間合い管理を挙げたのは、多くの積極的な意思決定を必要とするからだ。このコンセプトは私がピーチの記事で述べた、間合い管理を先取りすることと重なっている。単にキャラ1人そのものの位置に焦点を当てるというよりも、ピーチのように、ファルコ側は相手を押さえつける方法を検討すべきだ。これはつまり、ファルコ側は相手の攻撃的/防御的な選択肢の多くを無効化するような間合い管理をしなければならないということだ。

例えば、CFはブラスターへの対処にかなりの問題を抱えている。ファルコはブラスターによってCFの横の接近手段を事実上無効にし、攻撃的に立ち回ってガードをさせるか、防御的に立ち回って別の角度からの接近を強制できる。今日のメタではブラスターへの対策は進歩しているが、一つ考える必要があるのは、ファルコは常にこれらの読み合いの主導者であるということだ。相手がシーリフを狙おうとしているなら、ファルコ側はブラスターの高さと距離、そしてブラスターを撃ってくるのかを指示するものとなる(ブラスターを撃つとフェイントをかけられれば相手をつかむことができる)。

このコンセプトはファルコのマッチアップ全てに適用されるが、対ピーチと対プリンに適用させるのは骨が折れる。ここで輪ゴム理論の考えを強調しておきたい。ピーチとプリンはどちらも追いかけるのが比較的難しく、プリンの場合は殆どの状況から事実上自由に撤退できる。
これこそファルコ側が追いかけたいという誘惑に打ち勝ち、代わりにスペースを塞ぐ必要がある状況だ。ファルコが相手を追いかければ、センターステージに取り付けられた輪ゴムが伸びすぎて、やがて切れてしまう。ステージ中央にファルコを戻して、間合い管理を再開させよう。出来る限り数ある相手の選択肢を最小限に抑えつつ、次の読み合いの準備をし続けよう。

この考え方は全体的に同じだが、floaties(遊撃ファルコン以外のキャラ)に関しては時間がかかる。私はこのような視覚的技法を用いることで、跳弾に当たらないことを祈りつつ、何も考えずにブラスターを撃つよりも、間合い/ペース管理のプロセスに従事できることがわかった。

下の画像のような曖昧な状況は数多く存在するが、より明確にするのに輪ゴム理論が役立つ。例えば、ファルコ側のあなたはサムスにドリルを当て、ダウンを奪った。さて次はどうする?輪ゴムのビジュアルは外側転がり上がりを追いかけるのを思いとどまらせるだろう。センターステージから輪ゴムを伸ばしすぎてしまうからだ。一般的に、ファルコ側はその場起き上がりと内側転がり上がりをカバーする方がはるかに安全だ。もしサムスが外側転がり上がりをした場合、ファルコ側は位置取りとプレッシャーを保っている。もちろん、反応に基づく起き攻めの方法もあり、例のような状況はダメージ%とステージ、マッチアップに大きく依存するが、私は次にファルコでfloatyと戦う際にこれを頭に入れておくのをお勧めする。マッチアップのより遅い側面にもっと良く取り組むのに役立つかもしれない。

 

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この画像は、ファルコが中心から離れているほど、輪ゴムがきつく締まることを示している。2枚目の画像では、ファルコが場外のピーチに向かってジャンプしているので、輪ゴムはかなりピンと張っている。ファルコ側にとって、輪ゴムが伸びすぎることは望ましくない。有利な位置取りを保ち、攻め過ぎないことに尽力したいのだ。

間合い管理に関しては、フォックスは相手を飛び越えたりステージを動き回る能力があり、マルスは高めのブラスターをダッシュで潜り抜け、ファルコの殆どの攻撃判定を、時には相打ちするような状況でさえもその剣で打ち破ることができる。しかしどちらの場合も、ファルコ側の、防御的に、もしくは攻撃的に、そしてどんなスタイルでプレーするかという決断が、依然その試合がどのようになるかを主に命令する。ファルコ使いは、様々なペースに合わせる相手の能力をテストすることができるのだ。

仮にファルコがマルスのブラスター対策に苦戦しているとしよう。ファルコ側は多くのステージで中央台に向かってジャンプすることによって、試合のペースを完全に変えることを決定できる。マルス側が地上に留まると決めた場合、ファルコ側はマルス側を疲れさせて再トライするか、上空からの攻撃を試みることが出来る。この位置からは完全な推測に変わる状況がいくつか存在するが、一般的にファルコはマルスよりも、特に高%の場合に迷った末の(攻撃の)ヒットからより多くの利益を得ている。

マルス側が中央台のファルコを追いかけること(個人的にオススメ)を選んだ場合、ファルコ側は(マルス側の攻撃手段次第で)シードロから反撃するか、すぐに位置取りを変えることが出来る。いったんファルコ側が中央台に乗れば、マルス側がそれに対して深めに攻めることはかなり危険だ。マルス側にとって、上に向かってファルコ側を脅かすのはよりわかりやすいが、一旦休憩所が作られた場合、試合は減速しなければならない。

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私は中央台に乗ることは、相手を苛立たせる一方で、必ずしもファルコ側にとって必要ではないということを指摘したい。この選択肢の強みは、ファルコ側が必要な時に離脱し、一息つく選択ができるということだ。ファルコがうまく中央を保てれば、ファルコ側のmixupは中央台からの戦いの純粋な「推測」よりも一般的に有利だろう。

この状況に関して、輪ゴム理論の考え方に戻ろう。どのように視覚化するか?

 

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2枚のうち最初の画像は、私が最初に輪ゴム理論の説明に用いた書き方だ。しかしこの角度からは、ファルコとマルスを結ぶ輪ゴムは特に有用ではない。しかし、この枠組みに新たな層を加えると、ファルコ側の目的における散らばった光を幾つか減らすことができる。

もしファルコがステージ中央を離れ、相手が中央を陣取った場合、ファルコと相手を繋ぐ輪ゴムは交換されたのだろうか?代わりに、我々はファルコと相手の中央に対する相対的な位置取りだけを考える。この場合、2枚目の画像の輪ゴムは、相手により脅威を与えるために中央を奪うという、ファルコ側の現在の目的を表している。

この位置、マルスが中央への接近を断念した位置を考えてみよう。

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マルスはこの位置から中央へ接近することが出来ないため、ファルコ側は中央を陣取ってマルスと戦うことを選択できる。この決定はマルスの空中横移動、残っているジャンプの数、ダメージ%など、変化する数多くの状況次第である。殆どの場合、ファルコ側は中央に向かい、そこから戦うべきだと私なら言うだろう。しかし、マルス側が実際に中央を取りたいということを証明してこないのなら、空中で戦うかどうかということを考えることができる。
この枠組みに手を加えて、あらゆる状況をより繊細に表すこともできるが、この記事における私の目的は、センターステージで戦い、有利を失う位置へ突っ込みすぎないことをファルコ使いに奨めるための視覚的な考え方を紹介することだ。この枠組みのさらなる発展について、いくつかのアイデアを聞くことが出来れば幸いだ。

攻撃的なmixup

ファルコは小ジャンプの滞空時間のお陰で、無数の接近手段に繋げられる。攻撃的なジャンプを厳密に見ても、空中横移動、空中縦移動(すなわち、急降下)、行動の選択、そしてそのタイミングといったmixupを兼ね備えている。ファルコ側は確実に相手のガードに対してめくるか、地上で相手がガードを張っている周りに居続けるのに十分な勢いを得ることが出来る。ファルコ側のドリル→リフの差し込みにおけるmixupの基本的な例をいくつか紹介しよう。

 

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ファルコのmixupにおけるさらなる強みは、下方向へのオートストップずらしとのけぞりキャンセルに対する文字通りのカウンターを、ドリルとリフの2種類持っていることだ。
つまり、今日のメタにおいて非常に一般的な、ガード解除から下方向へのオートストップずらしを仕込んでおくという動きを試みる相手は、ファルコのmixupの影響を受けやすいということだ。1つは地上にあり、1つは空中にある。最悪のケースでも、これらの行動を1つ通すことでダウンを奪える。最高のケースは、コンボを始動したり、撃墜することだ。

攻撃の選択肢を変更するためにファルコ使いに必要とされるのは、創造性よりも、躊躇せずに自信をもって攻めることだ。我々は立ち回りを安全で防御的な動きに頼り、比較的ローリスクな接近手段を1~2つ使うだけのファルコ使いを飽きるほど目にする。私が先ほどのセクションで述べた間合いに関する原理に忠実でさえあれば、攻撃的なmiuxpのために積極的かつ大胆に行くことは、ファルコ側にとってプラスの結果に繋がると思う。

ファルコ側は相手にセンターステージに近づけないように思わせ、ファルコが接近した時には常にコンボを始動されるという危険にさらされるような状態に持ち込みたい。ファルコの操作に関連する最適な感情は、コントロールへの欲求と、積極的な賭けへの意欲だ。

攻撃的なmixupについて、特に言うことは少ない。最も重要なポイントは、ファルコ使い自身の精神状態と目的に対して密接であるということだ。多くのファルコ使いはコンボ始動技を当てたり、快適な場所に居座ってブラスターを撃ちたくてたまらない。目標は中央のどこかにいることで、慎重すぎることでもなければ、無謀すぎることでもない。

ファルコを打ち倒す

私はキャラ対策において、自分のキャラをどのように改善するかだけでなく、相手がこちらに対してどのように戦略を練ってくるかを考えることも常に重要だと考えている。もしファルコ使いに必要な技術における私の考えが正しければ、その対策は逆になるはずだ。

ファルコ側がステージ中核を拘束し、相手の選択肢を最小限に抑えるのを目指す場合、相手側はファルコをそこから離れさせ、中央を陣取るように戦うべきだ。皆の衆、これこそがニュートラルゲームだ。自信の目的を達成するために、必要なものは何でも使い、絶えず位置取りを争っていくのだ。

もしファルコが大ジャンプで固めから逃れた場合、プレイヤーはコントロールを維持する方法を考え、過剰な深追いは避けたい。つまり、既に有利な位置を保っている場合は追いかけたくないということだ。中央台にいるファルコへの対処法はキャラクター毎に異なるが、一般的にはファルコが地上へ戻るルートを遮ることによって、脅しをかける意思があるのを証明したい。ファルコ側が進んで中央台待ちをしてくる場合には、中央台への退却ルートを遮ることに気を配る必要がある。空中ジャンプを使ったファルコを捉えることが出来れば、撃墜へと繋げるチャンスだ。

いったんジャンプを使い切ったファルコを捉えたり、ダウンを奪えば、多くの強キャラは手痛い反撃手段を持っている。中央からファルコを場外へ押し出すのに必要なのは、たった1~2発攻撃を引っかけることだけで、そしてファルコの復帰手段は限られている。

この項目のいくつは明らかなことのように見えるかもしれないが、異なる視点からのはっきりした考えを調べるのに役立つ。

この分析を適用させる

私はファルコ使いに、動画を批評的に見ることを強く勧める。この記事で説明した輪ゴム理論を元に、お気に入りのファルコ使いがとった行動を試し、その影響力について考えてみよう。そして、それを続けること。あなたがこの枠組みを自分で改良することができれば、より多くのパワーをもたらしてくれる。これはスマブラDXのメタゲームにおけるファルコを分析するための入門書で、ファルコの各マッチアップについても記述するとしたら、少なくとも2倍以上の長さになるだろう。

特にオススメするのは、Mang0もしくはPPMDのファルコの動画を見ることだ。PPMDは輪ゴム理論に最も忠実になっていると思う。特に、この動画の1、2試合目を見てみるといい。

 

 

PPMDが有利な位置から使っている数多くの攻撃的なmixupや、その後どのように端にいるArmadaの行動を釣り、中央に向かってのドリルの差し込みを当てているかをメモしておこう。例えドリルが空振りした時でも、PPMDは再び中央へ戻っている。また、PPMDとArmadaが中央を陣取ろうと積極的に争っているタイミングをメモし、一度中央を取ってからそれを維持するのがどれだけ難しいかを知ろう。

Mang0においては、彼のファルコの動画を時期に関係なく見てみよう。Mang0は攻撃的なmixupを生み出すことにおいて、文句なしの達人だ。彼と対戦するときはいつも新しいものを見るように感じる。

 

今回の記事はここまで。この記事についての意見を聞くのを楽しみにしているよ! 次に読んでみたい内容を是非教えてほしい! もっと多くのトピックについて考えているし、必要ならスマブラDXのメタゲームにおけるファルコについて再考しても構わないよ。

最後はいつものように、読んでくれてありがとう!