PPMD+αに学ぶつかみ [Part3]
H0Pです。ここのところ少々忙しくて、隔週に1回の投稿ペースを少し崩してしまいました。
Part1、Part2と展開してきたつかみの記事ですが、今回のPart3でひとまず最後になります。
Part1、Part2を先にご覧いただくと、今回の記事への理解がより深まると思います。
Part3ではファルコの前投げ、下投げについて解説します。
どちらもうまく使えば攻めの手口を広げることができます。
前投げ
前投げは相手をステージの外に押し出す技として使えます。
特に遊撃(フォックス/ファルコ)相手にはgimp(相手のダメージが低いうちに撃墜)を狙うことができます。投げられた後の相手の選択肢を読み、それに対する択を選びましょう。
前投げされた後にフォックスが空中ジャンプで後ろに下がってから横Bで戻るのを読み、ドリルを当てて一気に撃墜。
前投げの後にこのような空中ジャンプから横Bで復帰するのはよく見られる行動です。そういう時はドリルを置いたり、1〜2発ブラスターを撃つといいでしょう。
段差があるというステージの特性を理解し、SJ(ショートジャンプ)で移動しているのもポイントです。
前投げの後のブラスターがうまく空中ジャンプに刺さったシーンです。
フォックス側は被弾後にすぐ横Bを使っての復帰を狙いましたが、タイミングが遅れて高度が足りませんでした。
ちなみに横BのタイミングでPPMDが後ろに絶空したのは、横Bにブレーキをかけなかった際に中央付近へ戻ってくるのを想定したものです。
前投げをされた後に、ギリギリの高さで崖掴まりを狙うのもよくあるケースです(英語ではSweetSpotと言います)。リフレクターでの滞空を織り交ぜることもあります。
そこに上から空Nを被せると、相手の復帰を狂わせることができます。リスクはありますがその分当てやすく、魅せの要素も非常に高いです。
そして、前投げには隠された特徴があります。
それは、相手をダウンさせることです。
投げとダウンに関するちょっと細かい話(ぶっちゃけ飛ばしてもいいです)
実は、投げによるふっとびは相手キャラの体重に関係なく一定であるという、これまた隠された特徴があります。投げによってダウンするダメージ%についても例外ではありません。
また、投げは攻撃の方法によって、打撃投げと放り投げの2種類に分けられます。
投げの直前に相手に打撃を加える(パンチやキック)のが打撃投げです。投げるスピードは相手の体重に関わらず一定という性質があります。
放り投げはその逆で、投げの直前に相手に打撃を加えないものが該当します。こちらは投げるスピードが相手の体重によって変化します。
例えばファルコの場合、前投げは打撃投げ、それ以外は放り投げに該当します(前投げ以外は投げた後にブラスターで追撃しますが、投げる直前に打撃を加えるわけではないため、打撃投げではありません)。
なぜこのような説明をしたかというと、ファルコの前投げはダメージ4%の打撃と3%の投げの2段ヒットの技で、打撃投げでありながら投げるスピードは相手キャラの体重によって変化し、前投げによって相手がダウンするかどうかは1段目の打撃を入れた後の相手のダメージ%で判断されるというクソめんどくさい特殊な性質を持つためです。自分でも何を書いているのかわからなくなってきた
ファルコの前投げの2段目で相手をダウンさせるのに必要なダメージは41%です。これに1段目のダメージ4%を引くと、前投げで相手をダウンさせるのに必要なダメージは37%ということになります(ワンパターン相殺は考慮していません)。
ちなみに、フォックスの前投げで相手がダウンするダメージは41%です(2段目の投げでダウンさせるのに45%のダメージが必要)。これはフォックスとファルコの前投げ(の2段目)で唯一異なるリアクション影響値(フォックス130、ファルコ135)が原因です。簡単に言うと、ファルコの前投げの方がほんのちょっぴりふっとびが強いということです。これスマブラ版トリビ〇アあったら採用されんじゃね
参考
SSBM Calculator (γ+) | 対戦攻略指南 | スマブラDX 対戦攻略指南
【システム仕様詳細】投げ技 | 対戦攻略指南 | スマブラDX 対戦攻略指南
前投げから起き攻めに移行する
…↑のちょっと細かい話を読んでくれた方にはおわかりかと思いますが、ファルコの前投げで相手をダウンさせるために必要なダメージは37%です。
これをうまく利用し、相手に起き攻めを仕掛けていきましょう。
相手が受け身をとれずにダウンすると思った場合はドリルで突っ込みましょう。その場受け身もカバーしてくれます。ここではその場受け身に対してドリルが当たり、さらに下スマへ繋ぐことができました。
後ろ投げからの展開を見て、Part2の内容を思い出した方もいるのではないでしょうか?
後ろ投げの後にブラスターで突っ込むいい例でもあるこのシーンをPart2及び3のどちらで取り上げるかは迷いましたが、構成上ここで紹介することにしました。
それまで上投げを11回通してまともに追撃が入ったのは2回のみという、Armadaの洗練されたファルコの上投げ対策。
その2回はArmadaピーチが高%の時に上投げ→空上が繋がったというもので、低~中%に関しては上投げからの追撃を一切寄せ付けていません。
そこでMang0は前投げからの起き攻めでダメージを稼ぐ戦法に切り替えました。投げ後の内側転がりを読んでダッシュ反転(Pivot)で待機し、リフや上強を当てようとしています(単にステップをミスしただけのようにも見えますが、そのあたりはこの大会でUCFが使われたかどうかも関わってくるでしょう。僕は知らないので、わかる方いれば教えてください)。
あのArmadaですら、受け身をとれずにダウンしているのです。この戦法が上級者相手にも通用するのがおわかり頂けたかと思います。
下投げ
こちらも相手をダウンさせて起き攻めに移行できますが、前投げと比べるとモーションの長さ、投げ後の硬直差や位置関係などが災いして使いづらいです。とりあえず外側に変更して転がり受け身しておけば追撃は受けません。
台の上で使うことで移動距離を制限できますが、相手がダウンエッジキャンセルで逃れられるのと、他に優秀な選択肢があることから、やはり使いづらいです。
しかし、特定の相手には有効な選択肢となります。
対フォックス
フォックスに下投げを使うと何故かダウンせず、しかも密着するほどの近距離でこちらが先に動けるという有利な状況を作ることができます。
まずは基本的な追撃の選択肢として、リフ、下強、下スマの3つを紹介します。
下投げからリフを当てれば、一気に火力を稼げます。上投げから狙うより簡単です。
つかみ打撃を加えることで投げのタイミングをずらす、Part1で解説した戦術を用いているのも見逃せません。
国内トップクラスの遊撃使い2人による対戦です。何気にこのブログで日本勢の動画紹介するの初めてですね。
ふっとび具合からして、下投げに対し外変更を試みたものの、投げは外変更が間に合わずに下スマだけ外変更してしまうという最悪のケースになってしまったように見えます。ここはすぐに下投げをしたのが吉と出ました。
しかしフォックス側のSanneさんもその後辛抱強くステップで回避を誘い、後隙を狩ってすぐさまイーブンに戻しています。
お互いラストストック、ダメージなしという状況。この続きどうなるか気になりますよね気にならないわけないですよね
見ましょう。
同じ動画ですが、こちらは下強になります。
この対戦では全体的にファルコ側のKounotoriさんが下投げからの追撃を多く決めたのが印象的です。
フォックス側の対抗策
3行でわかる↑の動画の内容
・ステージの端で掴まれると内側に変更したくなるよね
・そこで下投げを使えばリフからコンボを決めたり、下スマで簡単に撃墜できる
・でもフォックス側が外側に変更したり、先にリフで暴れてきた場合には追撃が入らない
・相手の外側変更を察知したらさっさと前投げして遠くに飛ばしてしまおう
ちなみにこの後は後ろ投げのmixupについても説明しているよ
下投げと前投げのmixupについて触れていますが、それより重要なのはフォックス側がファルコの下投げに対してとれる選択肢は外側変更かリフだということです。下投げ下スマをされたくないフォックス使いの方は覚えておきましょう。
基本的に外側に変更しておけば殆ど追撃が入りません。しかし、それに対するファルコ側の選択肢も存在します。
上の動画では前投げを織り交ぜることで外変更に対抗していますが、下投げを外変更された後の選択肢についても紹介します。
下投げの対処法がわかっているフォックス使いはきっちり外側変更をしてきます。しかしPPMDはそれを逆手にとって、リーチと発生に優れる横強を選択しています。空中ジャンプにはブラスターで高度を下げ、横Bでの崖掴みを許しません。
もうひとつ、下投げ→横強のシーンです。こちらは横強を下シフトで出しています。
横強は外変更する相手には有効ですが、タイミングよくリフを出されると割り込まれてしまいます。そんな時はこちらも下投げからリフをぶつけましょう。
対プリン
プリンはファルコの下投げに対して受け身をとれますが、受け身をとれない場合(斜め含む下方向に変更しない限り)ダウンせずに軽く浮くという特殊な性質があります。
浮いたところに横スマで追撃を狙おうというものです。
実際に下投げ→横スマが決まったシーンがこちらです。ファルコが下投げをした位置をよく覚えておいてください。
その前のつかみの空振りについては、Part2で紹介したプリンを飛び越えて(めくって)からの振り向きつかみを狙いましたが、直前でプリンが右にダッシュしたため狙いが外れた、といったところでしょう。
下投げ→横スマを試みた別のシーンです。先ほどのシーンとの共通点は、ステージ端にかなり近いところで下投げをしていることです。
あの位置でつかんだ場合、上投げから追撃をしようにも、ダッシュするための足場が足りません。それを考慮して、PPMDはそのような位置でつかんだ場合に下投げからの連携を狙っているようです。
Hungryboxが下投げ後に横スマをかわせたのは、転がり起きに横スマを合わせられ撃墜されるのを警戒して内側変更(ファルコの方向へ、真上に近い斜め上)を仕込んでいたのがかみ合っただけでしょう。投げられる直前に見える薄いシールドが斜め上にシフトされているのが証拠です(一時停止してから,キーと.キーでコマ送り/戻しをするとわかりやすいと思います)。
このようにやや不安定なところもある連携なので、頭の片隅に入れておく程度でもよいでしょう。
対アイクラ
アイクラに対して下投げは相性がよく、もう片方を巻き込んで攻撃することができます。さらに下投げからリフなどで追撃を狙うことができ、どちらかに当たれば分断させられます。
Chudatは下投げに対して外側変更をしたり、転がり受け身をするなどしっかり対策しています。しかし、下投げ→リフ→絶空後の2回目のリフは必ずどちらかが喰らっています。Nintendudeとの試合でも下投げからリフ→絶空→リフをしているあたり、PPMDは狙って出しているのでしょう。
集大成的な何か
Part1~3と、3回にわたってファルコの投げについて紹介してきました。
それらを組み合わせると、こんなことができるようになります。
動画名にはchaingrab(投げ連)とありますが、正確には下投げからの読みあいを4回連続で通しています。なんと52%も稼いでいます。
やっていることは下投げ→つかみの連携の繰り返しですが、外変更を読んで少し前に出てつかみを入れたり、さらにつかみ打撃の回数の増減、つかみ打撃後のつかみ打撃/投げの入力の遅速など、ありとあらゆる手段でタイミングをずらしています。
厳密にいえば下投げを外変更できた場合、このつかみにはタイミングよくリフや回避を入力して割り込めるのですが、Westballzが徹底してタイミングを掴ませないのと、そもそもどの投げをするかも読みあいに含まれているため、相当難易度が跳ね上がっています。
今度は色々な投げを組み合わせた連携です。後ろ投げ→後ろ投げ→後ろ投げ→下投げ→後ろ投げ→上投げと、6回投げを決めて一気に40%稼ぎました。
基本は後ろ投げ→つかみの連携ですが、そこに下投げを織り交ぜて変更を揺さぶり、下投げ→つかみの連携からもう1度後ろ投げに繋げています。
こちらも色々な投げを駆使し、0 to Deathに持ち込んでいます。先ほどと同じく後ろ投げ→つかみの連携からスタートし、下投げ→リフの連携、リフからコンボでダメージを稼ぎつつ、前投げで押し出した後は有利ストックを活かし、思い切って空Nを被せに行っています。
以上でつかみに関する解説は終了となります。
何回かに分けて書くのは初めてでしたが、とりあえず綺麗に(?)まとまって一安心しています。何かしら新しい攻めの手口に繋がれば幸いです。
今回はこの辺で。次回も頑張ります。
PS:この夏、海外遠征に行ってきます。
I just registered for Shine 2018 https://t.co/DO0VFoj5eW #Shine2018 @smashggさんから
— H0P/ホップ (@Hands0ffMyPrey) 2018年7月19日
初の海外遠征行きます!よろしくお願いします!!
参加する大会は8月24~26にボストンで行われる、Shine2018です。
大会を選んだ理由や事前準備、当日の様子については、後日記事を書く予定でいます。
半ば勢いで登録したようなものなのですが、
・去年は(Shine行ってる人)5人くらいいたのに今年は今のところ他に見当たらないんだけど
・スリこわい持ってく荷物どうしよう
・前日入りなの大丈夫かな
・乗り換えの時にトラブル起こったらどうしよう
…といった不安要素が頭の中をぐるぐるしています。
…ま、正直こんなこと↑は今はどうでもいいです。
それよりも皆さん、今週末に開催されるEVOに行く日本勢の応援をしましょう!!